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行動療法は心理学の一分野である行動分析学を応用して、不適応な行動から

適応的な行動へと変容させることを目的に使用される技法の一つです。

 

 

行動分析学は「行動の原因を科学的に捉える」必要があります。

 

なぜなら犬の行動を根拠のない推測で捉えることは大変危険であるためです。

よく、犬の困った行動を「こういう性格」など心や意識を行動の原因とされますが、

言葉を持たない犬の本心を証明することは人間にはできないはずなのです。

よって、行動の原因を目に見えない心や意識とすることは単なる憶測でしかなく、

真実ではありません。そのため問題行動への対処方法も

個人の憶測の範囲に行われてしまうのです。

 

それに対して「目の前に見えている行動を対象に正確に捉えること」

行動は科学的に実証することが可能です。

 

例えば「飛びつく行動」では、どんなときに飛びつくかを観察する。

すると、飛びつくきっかけとなる刺激を記録できます。

次に飛びついた後、どんなことが起こっているかを観察する。

すると、行動の機能・原因が分かります。

 

これらの観察から得た情報をもとに、行動そのものではなく、

行動に影響を与える環境を操作します。

例えば、きっかけとなっている刺激の強さを操作する、

あるいは行動を維持させる機能を操作する、

この操作により「飛びつく」という行動が増えるのか減るのか、

行動の変化を観察・記録することができます。

 

この観察や記録をもとに、犬が飛び付かないでいられる状況を作ることができ、

飛び付いていない状態が維持されるようにトレーニングを行うことができるのです。

犬は、再学習する機会を得ることができるのです。

 

 

このように行動療法では行動分析学を用いて、愛犬なりに学習した

不適応行動(問題行動)を人にサポートされながら

適応的な行動を再学習できる機会を用意することを目的としています。

学習に年齢や犬種は関係なく、体罰も必要ありません。

​行動療法とは

​認定ドッグビヘイビアラルセラピスト

 

JDBA犬の行動療法士は、犬の行動を動物行動学、行動分析学、

学習心理学の観点から捉え、犬の行動を変容させることを目的としています。

 

例えば噛みつくという行動一つとっても、

病気や怪我による痛みが原因となっている場合もあれば、

犬らしい行動が十分に取れずフラストレーションを抱えている、

過去の嫌な経験や学習が原因している場合もあり、

原因は一つではなく複数の場合もあるかもしれません。

 

もし噛みつく原因が怪我や病気による痛みを抱えていることによるものであれば、

「治療を受けること」が最優先のアドバイスであり、

この場合、行動そのものに対するアプローチではないと思われがちですが、

痛みや不快感を抱えた状態というのは、人でもイライラしやすく

攻撃的になることがあり、いつもなら許容できることを難しくするものです。

 

行動療法士は問題行動そのものに対するアプローチだけではなく

犬の行動に影響を与える要因も含めて問題行動を捉えます。

 

カウンセリングで時間をかけ、聞き取りを行うのはこのためなのです。

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